〈クリスマスメッセージ〉 「荷かごをかついで」(友のためにいのちをかけて) KFG志木キリスト教会 主任 牧師 久保 真理 牧師
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● イエス様の誕生の意味 この物語は私が子どもの時代に、日曜学校で、読んだ本の物語で感動して、心に残っている。これによってイエス様の到来の目的、その十字架の出 来事は、神の私たちへの深い愛のしるしだったことがよくわかったからです。 ● 東京から北海道へ移転 これは一昔前の話です。太郎さんは父母と共に東京で平和な日々を送っていました。ところが、お父さんが元気で働いていたのに、ある日、突然、 働きすぎだったのか倒れて、天国に召されてしまいました。そこで、お母さんの実家である北海道の田舎へ移転することになりました。 太郎さんは、お母さんから、冬には雪が降り、楽しいことがいっぱいあるからと聞かされ、ワクワクしながら、北海道のおじさんの家へ向かいまし た。 おじさんの家は立派な旧家で、山の木材を切り出し、大きな丸太を製材所で板や柱にして商売をしていました。 しかし、おじさんの家は立派であっても、実際にお母さんと2人で生活するために案内されたのは村はずれの貧しい家でした。それにお母さんが身 体が病弱で、活発に働けないので、小学校五年生になっていた太郎さんが村の人たちから頼まれことを引きうけて、学校の行き帰りに、肩に荷かご をかついで、往復して、謝礼をいただき、貧しい生活を支え、勉強も頑張っていました。 そして、日曜日には、教会学校にも通い教会のいずみ先生や日曜学校生徒のゆりちゃんと仲よしになり、淋しい生活に励ましを与えられました。 ● 三郎君は村のガキ大将 太郎さんのいとこで、村のガキ大将の三郎君は、東京から来た太郎さんが勉強が出来、日曜学校の関係で、ゆりちゃんとも仲よしで、教会のいずみ 先生も、面倒見がいいのを見て、何となくおもしろくありませんでした。 そこで、三郎君は子分を三、四名集めて、いつも、夕方遅く帰ってくる太郎さんの歩く、近道に、穴を掘り、驚かしてやろうと、仲間で協力して、 落とし穴をつくりました。 それとは知らず、夕暮れの道を荷かごをかついで、通りかかり、穴に落ち、その勢いで、崖が崩れ、雪や石と共に、ガケ下に落ちて、気絶してしま いました。 丁度、ガケ下の道を通りかかったゆりちゃんは、血だらけで、倒れている太郎さんを母親と共に助け、自宅で、医者を呼び、手当てをしてあげまし た。お見舞いに来た教会のいずみ先生は「『父よ彼らを赦したまえ!』とイエスさまが十字架上で祈られたように、三郎君たちを赦してあげましょ う。」と一緒に祈り、三郎君たちが救われるように祈ったのです。 ● 雪どけの川で力くらべ 寒い北海道の田舎にも、春の日ざしが暖かく照し、山々の雪がとけて、川はゴーゴーと水量まして、材木が時々流れていました。 今日も、三郎君たちは、三、四名で、いたずらをして遊んでいました。この日は、家で使っているトビグチの長い棒をかつぎ出して、流れてくる材 木を岸に引きよせ力くらべをしていました。強い川の流れの中を流れてくる材木(丸太)をトビグチで刺して、引きよせるのは、大人でも大変な力 がいるし、危険でした。そこで力自慢の三郎が、「オレがこのくらいの丸太は引き上げられるぜ・・・」と、力一杯トビグチを刺し、引きよせよう とした時、足もとの岸辺がくずれ、雪どけの冷たい川にひき込まれて、流れていってしまいました。 いつもの仲間の男の子たちは、驚いて、それぞれの家に帰り、沈黙していましたが、三郎君の家の人たちが、いつもの遊び仲間にきいたところ川に 落ちたことを知り、大さわぎとなり、提灯やたい松を用意し、製材所の男たちが川に舟を出して、「三郎くん三郎くん・・・」と名を呼んでさがし ました。 一方、夕方の道を、家へ急いでいた太郎さんが、ふとトビグチの棒を握ったまま浮き、沈みしている三郎君に気がついた三郎さんは、急いで、荷か ごを岸辺におくと、川にとび込んで、泳いで、三郎君の背中をつかんだまま、疲れていた太郎さんは気が遠くなってしまいました。 やがて、川は提に流れ込み、三郎君も、太郎さんも、製材所の男たちによって、冷たい水から引上げられ土管にに火をたいて、彼らを暖め人工呼吸 をしたり、水をはかせたりした。しばらく、必死に回復を試みた結果、三郎君は息をふきかえし、目を開き生き返りました。 しかし、太郎さんは、残念ながら息をふきかえず、目も開きませんでした。 しかし、太郎さんは天国へ、天使に迎えられ、美しい賛美歌のメロディーの中にいました。三郎君は、今までの、悪い事や罪を悔い改めてイエス様 の身代わりの十字架が、自分のためであったことを信じ、生活を改めて、友だちをさそって、教会に通い、生まれ変わった生き方に変わりました。 太郎さんの身代わりによって、イエス様の愛がわかったのです。 |