「神の国を来たらせるイエス」 KFG志木キ リスト教会 主任牧師 松木 充 牧師
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「御国が来ますように」(本章2節)は、私たちの願いです。悲惨な事件、神に逆らう人々の行いを見聞きするにつけ、そう願わされます。 本日 の箇所は、「ベルゼブル論争」と言われます。イエスがベルゼブルによって悪霊を追い出しているという批判(15節)、しるしを求めるところか ら始まった論争です(マタイ一二22以下に並行記事)。この論争の流れは、32節まで、あるいは36節まで続いています。 ここから言えるの は、主イエスは神の国を来たらせるお方だということです。神の国とは神の支配です。「御国が来ますように」との祈りを実現するのは、主イエス です。 愛する家族の心に、友人の心に、職場に、学校に、社会に、神の愛に支配された御国が必要です。そして、何より私たち自身の心に。 イエス・キリストは、 ①悪霊を追い出し 、②サタンに打ち勝って、 ③内に住んで神の国を私たちに来たらせます。 1.悪霊を追い出す(14~20節) イエス・キリストは、悪霊を追い出して神の国を来たらせます。 イエスの悪霊追い出しに群衆が驚き(14節)、イエスはベルゼブルによって 悪霊を追い出しているという批判が起こりました(15節)。 ベルゼブル(バアルゼブブ)は、元々はハエの神です。それが「悪霊どものかし ら」とされるのは、ハエが汚い物に群がるからでしょうか。 主イエスは、二点からこれを論破します。一つは、内部分裂したらサタンの国は立ち 行かないこと(17~18節)。もう一つは、批判する者(多分パリサイ派)の仲間にも悪霊を追い出す者がいるが、彼らは誰によって悪霊を追い 出しているのか、という反論です。 主イエスが神の指によって悪霊どもを追い出しているのなら、神の国は来ています(20節)。つまり、神の 支配が地上に開始されているのです。 マタイの並行箇所一二28では、「神の指」は「神の御霊」です。しかし、なぜここでは「神の指」なので しょうか。 この表現の出どころは、出エジプト記八19です。エジプトの呪法師たちは、モーセとアロンが奇跡を行ったとき、似たようなことを 行って対抗しましたが、地のちりを杖で打ってぶよを出したとき、ついにできなくなり、「これは神の指です」と言いました。 イエスが悪霊を追 い出していたのは、モーセがイスラエルをエジプトから解放したようなわざだったのです。新約の出エジプトとも言うべき、救いのわざの一環だっ たのです。そこで思い起こすのは、変貌の山の出来事です(九31)。「ご最期」は、出エジプトを意味するエクソドスでした。 悪霊つきは現代 も存在しますが、加えて、サタンに利用されやすい性質、行動なども主が取り除いていって下さいます。だから、神に喜ばれないものをキリストに 明け渡してゆだねることが大切です。 私の場合は、短気です。酒の奴隷だった堀野三郎さん(横浜教会、信徒伝道者)も、不思議な主の力で解放 されました。 2.サタンに打ち勝つ(21~23節) イエス・キリストは、サタンに打ち勝って神の国を来たらせます。 21~23節は、「強い人」のたとえです。武装して家を守っているのはサ タンと思われ、そこを襲って彼に打ち勝つ、「もっと強い人」は主イエスだと思われます。もっと強い人は、彼が頼りにしていた武具を奪い、分捕 り品を分けます。 分捕る武具や品物は、サタンにとりこにされていた人々や、多くの賜物(能力)であると思われます(23節。エペソ四7~8 参照)。主イエスはサタンに打ち勝ち、人を神へと奪い返し、人の能力を神のために奪い返します。 主は、どのようにしてサタンに打ち勝ったの でしょうか。それは、癒し、悪霊追い出しなどの奇跡、人々の心を解放する教えによってですが、最終的な勝利は十字架と復活によりました(創世 記三15参照)。 最近ではアントニオ古賀さんがクリスチャンになったと聞きますが、ギタリストのラリー・カールトンは、強盗に首を撃たれて 九死に一生を得、入院中に友人の祈りと伝道で導かれました。快復後は敬虔なクリスチャンとして大きな尊敬を受けています。強い人が奪い返して 下さったのです。 明け渡したつもりでも、まだサタンに勝てないと思うことがあるでしょうか。そんな時こそキリストの勝利を信じ、信頼したい と思います。 3.内に住んで神の国を来たらせる(24~26節) イエス・キリストは、内に住んで神の国を来たらせます。 24~26節は、戻ってくる汚れた霊のたとえです(マタイ一二43~45に並行記 事)。これが語られたのは、多分パリサイ派にも悪霊を追い出す者たちがいたからでしょう(19節)。 悪霊を追い出したままであれば、その悪 霊は片付いてきれいになった元の住み家に、もっと悪い七つの霊を連れて戻って来ます。そして、初めより悪い状態になるのです。「七つ」の霊 は、完全数なので、徹底的な堕落を意味すると思われます。それは、「七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれるマリヤ」(八 2)という表現にも見られます。 それでは、悪霊が戻って来ないためにどうしたら良いのでしょうか。そこに、サタンよりもっと強い人、主イエ スに住んでいただくことです。具体的には、神のことばを、しっかりと心にとどめておくことです(27~28節)。「守る」とは、キープするこ とです。いつもみことばに信頼していると、守り行うことにつながります。さらには、主イエスの肉の家族でなく、霊の家族となることです。神の 家族で助け合い、祈り合うと、悪魔から守られます。 朝起きたら「イエス様感謝します。あなたを愛します。あなたが愛しておられる人を愛しま す」などと祈って、日々主を内に宿して生きましょう。 |
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